無花果（イチジク）は、秋が旬の果物です。

「無花果」

無花果（イチジク）は、秋が旬の果物です。

枇杷（ビワ）や柿と同じように、昔は、庭木としてよく見かける身近な果樹でした。

漢字で「花」が「無い」と書きますが、これは、花が無いのではなく、実の中で花が咲くため（花びらはありま
せんが）外から見えないためです。

花が咲いた後には、種ができます。

イチジク特有の、プチプチした食感の粒々の1つ1つが、その種というわけです。

「イチジク」と呼ぶのは、1日1個ずつ熟す、果実が1ヵ月で熟すことから「一熟」となり「イチジク」に転じた
といわれています。

さて、イチジクの原産地は、アラビア半島です。

紀元前古代エジプト時代の頃、すでに栽培されていたといいます。

普通の植物とは違う要素があるからか、豊穣の象徴・知恵の木など、各地で神聖な木として象徴的に捉えられる事も多く、歴史的に重要な植物だったことがわかります。

旧約聖書にも、イチジクは登場しています。

例えば、エデンの園で、禁断の木の実を食べたアダムとイヴが、その直後、羞恥心にかられ、身に着けたのがイチジクの葉だった、という話。

これは、旧約聖書の創世記に記されている有名な話です。

ところで、食べるイチジクの話に戻りますが、生食は日持ちしないので、お早めに。

保存の効くコンポートや、ジャムにするのもいいですね。
イチジクには、様々な栄養が含まれています。

タンパク質分解酵素のフィシン（切り口に出る白い液体）は、消化を助け、食欲不振や二日酔いにいいそうです
。

カリウムは、高血圧や動脈硬化防止に。

食物繊維のペクチンは、腸内環境を整え、便秘解消に効果的です。

また、干したイチジクは旨みが凝縮され、カルシウムやミネラルが豊富です。